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だから、居場所が欲しかった。

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興味を惹かれた書籍のタイトル

だから、居場所が欲しかった。バンコク、コールセンターで働く日本人

水谷竹秀さんの書籍のタイトルです。わたし自身、タイ・バンコクには行ったことがあり、バンコクという地名を聞くだけでも興味が湧きます。そしてそれ以外にも、居場所・コールセンター・日本人という単語が入っているので興味津々でした。

早速読み始めると冒頭から行ったことのある場所が出てきて、パンチのある話から始まることもあり、すぐに惹きこまれていきます。

水谷さんの本を読むのは2冊目ですが、2冊とも読みやすくていろんな方の人生を疑似体験しているような感覚になります。多くの人を徹底的に取材し、あらゆる角度から考察されているからでしょうか。

このような本を1冊上梓するまでの苦労は、並大抵のものではないと思います。その苦労が大きい分だけ読む人の心を打つのでしょう。

バンコク、コールセンターで働く日本人

さまざまな人が登場しますが、みなさん日本では恵まれない環境にある人たち。そうした人たちがタイに行くとなぜか居心地がいい。コールセンターの月給は3万バーツ(本が書かれた当時のレートは1バーツ約3円)と日本円で約9万円にしかなりません。

ところが物価の安いタイだと、相当切り詰めながらも何とか生活できてしまう。

そしてタイで働いているのに日本向けのコールセンターなので、タイ語や英語はしゃべれなくていい。そんなタイのコールセンターで働く人たちに光を当てていきます。

真面目について

著者が長い年月をかけて取材した本田という人の話の中で、わたしがなるほどなあと唸った部分を引用して紹介します。

真面目さだけでは人生うまく乗り切れない。

バカ正直で不器用な生き方はどこかでつまずく。あるいはその性格につけ込まれ、利用されるかもしれない。

「真面目ですね」と人から言われるとどこか足元を見られているようで、必ずしも褒め言葉に聞こえないのは私だけではないはずだ。

よく周りから「何でそんなに不器用なんだ!」と言われ続けてきた私の勝手な妄想かも知れないが、真面目な人間にはどこか不器用さが備わっているような気がする。

人生を楽しめるか否か、もっと言えば成功するか否かにおいて、真面目さが必ずしもプラスに働くとは限らない。

器用に要領よく生きている人の方がやはり、幾分か楽しく過ごしているように見えるからだ。昔、ある日本の捜査関係者から、「真面目な人間ほど自殺しますからねえ」

と言われた時のことが思い出される。

人生は時に、ずるさや狡猾さ、そしてしたたかさも必要だ。

本田という人間に出会ってからというもの、そんなことを痛切に感じるようになった。

著者の鋭い洞察が光っていますね。

わたしもこの意見に触発されました。そして生きていく上でとても参考になりました。

思うに真面目な人は、ずるい人間に対して正論を言えば分かってもらえると考える。しかし、そもそもずるい人間は正しいからなびく訳ではなく、弱い人間を食い物にすることしか考えていないのではないか。いじめの構図でしょう。

やはりずるい奴にはこちらもずるさで対抗するのが処世術の一つだと思うのです。その上で立派な尊敬できる人を見つけて良好な人間関係を築いていけば良いのではないでしょうか。

水谷竹秀さんについて

この本のエピローグの中で水谷さんは下記のように書いています。

私が取材の過程で特に意識したキーワードがある。「居場所」だ。私の定義する居場所とは、自分の存在意義を実感することができ、承認欲求を満たせる空間のことである。私自身思えば学生時代、居場所と呼べる心のよりどころは少なかった。たとえば小学、中学生の時、よく仲間外れにされ、いじめも受けた。社会や集団に溶け込むこと、そして対人関係を築くのが苦手な性格で、悪い意味で異端児扱いされることが多かった。

だから、居場所が欲しかった。自分のことを認めてくれる環境を探し求めていた。他人に好かれ、嫌われないような人間でありたかった。

本書に登場する人たちもおそらく、同じような思いを抱えて生きてきたのではないか。日本で居場所を見つけ出せず、バンコクで見つけて生きていこうと決めた。私がフィリピンに住むに至った経緯と大筋で変わらない。私が寄り添ってきたオペレーターたちは私にとっての隣人のような存在であり、思いどおりにならない現実を嘆く彼らの姿は私の心を映し出す鏡のようであった。その奥底に沈殿しているのはやはり、日本社会における生きづらさである。

水谷さんの本を読んでいると、取材相手に対する温かな眼差しを感じます。それはご自身が今までつらい思いをしてきたことが背景にあったのですね。

おひとりさまでつらくて寂しい思いを抱いている方には、水谷竹秀さんの著書をぜひオススメしたいです。いろいろな境遇の方を知ることができます。そして共感できたり、自分よりはるかにつらい思いをしている人を知ることで、前に進もうと思えたりするのではないでしょうか。

 

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この記事を書いた人

☆結構な年まで独身生活。
☆独り身のさみしさを経験。
☆将来の不安におびえていた。

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